これに伴い、通達86/2024/TT-BTCでは税務手続きについて、通達105/2020/TT-BTCと比較して以下のような主な新しいポイントが導入されてる。

(1) 2025年7月1日から「個人所得税コード」から「識別番号」への変更

新たな通達86/2024/TT-BTCでは、ベトナムの個人税コードが廃止され、代わりに「公安省」が発行する「個人識別番号」が用いられることが明確にされている。

ベトナム国民の個人識別番号についての特徴

  • ベトナム国民の個人識別番号は、国民データベースにより設定される12桁の自然数列です。
  • ベトナム公安省によって全国的に一元管理され、各国民に一意に設定され、他の人と重複しません。
  • 個人識別番号は、身分証明書の発行、国民データベースおよびその他のデータベースでの情報利用、公的サービスポータル、行政手続き処理情報システムなどで使用されます。

  通達86/2024/TT-BTC 号5条5項に基づいて、公安省が身分証明法に基づいて発行する ベトナム国民の個人番号は、本通達の第 4 条第 2 項 k、l、n に規定される納税者または扶養家族の税 コードの代わりに使用される 12 桁の自然数列である。

同時に、世帯の代表者、事業世帯の代表者、または個 人事業の代表者の個人番号も、その世帯、事業世帯、 または個人事業の税コードの代わりに使用される。

 

(2)個人識別番号を税務番号の代わりに使用することを受けて、通達86では、個別の第III章に事業世帯、個人事業主、家族、個人としての納税者に対する税務登録手続きに関する規定が新たに設けられている。

 

(3) 税務登録手続きの実施において、国民データベース、識別、電子認証の利用

税務機関は、国民データベースから個人情報を取得し、税務データベースとの情報共有・接続の進行に沿って、納税者の税務登録手続きを処理する。取得した情報およびデータは、法令に基づいて安全に保管・管理される必要がある。国民データベースに既に存在し、税務データベースと接続・共有されている情報については、納税者が再度税務機関に申告する必要はない。

組織、個人は、電子認証・識別システムによって提供される電子識別アカウントを使用して、オンラインでの税務手続きを行う。

(4) 税務手続きの予備手順に関する規定の追加

具体的には、税務機関は以下の状況において、通達86/2024/TT-BTC 号37条に基づく税務手続きを予備手順で処理する。

  • 税務システム、国民事業登録情報システム、国民データベースシステムに技術的な問題が発生した場合
  • その他の不可抗力の状況

(5)  通達86/2024/TT-BTC 号に添付された税務手続きの様式は、通達105/2020/TT-BTCと比較して変更がある。

詳細は通達86の附則IIに記載された税務手続きの様式の一覧、通達86に添付された様式をご確認ください。

通達86/2024/TT-BTC 号に基づく税務手続きは、2025年2月6日から施行され、通達105/2020/TT-BTCを置き換える。ただし、以下のケースは施行が遅れることになる。

  • 個人、家族、事業世帯に対して税務機関が付与した個人所得税コードは、2025年6月30日まで有効である。

2025年7月1日以降、個人所得税コードの代わりに個人識別番号を使用する(税務管理法35条の規定に基づく)。